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危険な肉食獣達(副題ー新お尻とは)

新お尻(「しんおしり」と読みます)。この新語が生まれ、一人のマゾがこの言葉の意味を「体に覚えさせられた」お話です。

それは、一昨日の夜のユリイカでの出来事でした。鬼様のシフトの日で、鬼様企画のイベントがあったので、もう一人の奴隷共々参加した訳です。このイベントは「命だけはお助けを」という天才的としか思えない名前のイベントで、詳細をここで説明している余裕はないのですが、伝統的な拷問をマゾに受けさせてあげよう、というコンセプトだったらしいです。結果的に、参加したマゾたちは、水責めとか石抱き、算盤責めと言った日本古来の拷問を経験させてもらっていました。

僕自身は、逆さ吊り+水責めのイントロ部分で耳に水が入ってギブアップした後は、ルナ様のケインの練習台になった他は、比較的安泰にその晩を終わろうとしておりました。
何人かのマゾが帰り支度を始めた頃、鬼様が「ケインがやりたくなった」と言い出し、僕はユリイカのカウンターの端に両手をついてお尻を突き出す姿勢を取りました。この段階では、ユリイカではあまりに当たり前のこの状況に気を止めるマゾは誰もいません。鬼様がドラゴンケインを僕に持ってこさせて打ち始めました。すでにルナさんに相当打たれていた僕のお尻はカチカチに固まっており、多少のマヒもあって、何とか耐えられるレベルです。でもそのレベルで鬼様が満足する訳がありません。鬼様のケインはどんどんフルスウィングになって行き、それに連れてぼくが感じる苦痛も加速度的にアップし、微妙にお尻を捻じ曲げてしまう癖が出始めてしまいました。このチャンスを鬼様が見逃す訳がありません。

「ねぇ、動かないのしよう。」と鬼様。

こういう時の鬼様は、必ず「質問口調」で話し掛けてきますが、目は全く違います。ただでさえ強い目力が100倍増強されていて、「ハイ」という答え以外をする勇気は出ると同時に消えて無くなります。

「ハイ」と小さな声で答える僕。

それでも、なんとか事態を制御可能な状況にしたい僕が、「何回でしょうか?」と無駄な抵抗を試みますが、「ううん、回数とか決めない」という鬼様のあっさりした一言で、僕の儚い抵抗は木っ端微塵になりました。

そして、「動くな、ケイン」が始まります。

鬼様は、普段大らかで細かいことを気にしないのに、こういう時はとても厳格です。ちょっとでも、鬼様が打ちにくいようにお尻や脚を動かせば、すかさず「約束違反」のお仕置きが課せられます。
一発、二発とフルスウィングの鬼様のケインが飛んで来ます。僕は悲鳴を上げますが、必死でお尻を突き出した姿勢を保ちます。僕の悲鳴の様子に帰りかけたマゾ達が足を止めて見守っています。三発、四発、五発と必死に耐える僕に、援軍が現れるどころか、追い打ちが掛かりました。

ユリイカのオーナーのゆみこさんの登場です。ゆみこさんは、その日普通のセーターにニットキャップという、全く戦闘モードではない格好で、ずっとカウンターの中で馴染みのマゾ達と談笑されていたはずなのに、何故か今は邪悪な笑みをたたえて僕の目を見ておられます。

「集中しやすいようにしようね」

と口調だけはカジュアルな言い方ですが、その大きな目は明らかに「獲物を捉えた肉食動物の目」になっています。

ゆみこさんは、事態の急変に全く対応出来ずに呆然としている僕の手の甲の上に(僕は打たれる姿勢を取るために、両手を肩幅くらいに広げて、カウンターの淵に手をついてお尻を突き出していました)、JENGAという長さ5cmくらいの長方体の木のブロックを積み上げ始めました。一段に3枚づつのJENGAが二段、三段と積み上げられます。頃合いを見計らって鬼様のケインが再び襲ってきます。僕は手の甲に積まれたJENGAが崩れないように、手に力を入れることも出来ずに耐えます。するとゆみこさんが、更にJENGAを積み上げます。二人が無言のうちにコミニュケーションしてたくらんでいることは明らかです。僕が耐えきれなくなって、JENGAを落としてしまった時に、もっと酷い目に遭わせる理由付けを共同作業で作っているのです。

「あれ〜、手の甲に汗かいてる〜」というゆみこさんの楽しそうな声が聞こえてきます。

結局、僕の我慢というか、抵抗はJENGAが七段積まれた直後に終焉を迎えました。

僕の左手のJENGAがズルっと動いたと思う間も無く、ガラガラと崩れ落ち、続いて右手でも崩落が起こります。

何時ものこととは言え、最悪の事態に凍りつく僕。

さて、ここから約3分間の僕の記憶は何故か完全に飛んでおり、何故次の展開に繋がったのかが思い出せません。多分あまりの恐怖に頭が「命だけはお助けを」状態になっており、記憶という回路が機能停止をしていたと思われます。

次に僕が覚えているのが、(多分)満足気な笑みをうかべたゆみこさんが、マジックペンを持って僕の背後に回ったところからです。

「????」と、状況が把握できない僕。

何やら、ゆみこさんが僕の「太腿の後ろ側」に線を描いています。

「これからは、ここまでがお尻〜!」とゆみこさんが宣言をしています。

ゆみこさんの行動の真意を正確に悟っている鬼様が、明らかに太腿(今まで)を、お尻を叩くのと同じ強さで叩き始めました。

そうです、二人の真の目的は、お尻を叩くのと同じ強さで太腿の後ろ側を叩く事の正当化だったのです。(実はこの事に気付いたのは今でした!)

やはり、太腿の後側はお尻に付いている脂肪や筋肉という緩衝材が少ないので、さすがの鬼様もごく僅かではありますが、「手加減」をして打って下さっていたのですが、二人が「新お尻」と定義したかつての太腿の後側は、これで盛大にフルスウィングのケインの対象となってしまったのでした。

鬼様が容赦ない強さで「新お尻」(医学的には太腿の後側)を叩きます。その上で、

「今何処を叩いた?」と意地悪をします。

「太腿です。」と、僕がささやかな抵抗を試みますが、

「気のせいだよ。」の一言で片付けられます。 (実はこの会話には、過去の苦い思い出で、「気のせい事件」というのがあるのですが、今回は説明を省略します。)

結局、僕は数分以内に「新お尻」を叩かれる度に、

「お尻です!」

と叫ぶことになっておりました。

と、ここまでが「新お尻」事件の第一幕です。その間、帰りかけたマゾ達は全員ユリイカのカウンターの周りで、酷い目にあっている僕を傍観していたのでした。

帰りかかっていたマゾ達が引き上げて、数人のマゾが残るだけになったユリイカの店内で、後で考えれば「飛んで火に入る夏の虫」状態の僕が、ゆみこさんの餌食になったのは、その直後でした。先ほどひどい不幸に僕を導いたJENGAについて、僕が「これは何をするものですか?」という、今考えてみれば余りにも不注意な質問を、ゆみこさんにしてしまったのです。恐らく、その時ゆみこさんの目はキラーっと光ったものと思われます。

獲物が餌に食いついたのを逃がさないように、ゆみこさんが親切にJENGAの遊び方を説明してくれます。要するにJENGAは長さ5cm程の長方体のブロックを積み上げて、今度は一つづつ交互にブロックを抜き取り、ブロックを崩した方が負け、という「ブロック崩しゲーム」なのです。説明をしながらJANGAのブロックを積み上げたゆみこさんが、「やってみる?」と問いかけます。

後になってみれば、余りにも簡単に罠にかかった間抜けな兎みたいなものでした。

ゲームそのものは、僕が我ながら善戦健闘して「引き分け」状態に持ち込みました。(マゾとミストレスのゲームで、マゾが勝つことはあり得ません。)

その結果は、

「空気を読んでいない」という罪で、ゆみこさんからケインで叩かれることになってしまいました。、


鬼様は、ユリイカのソファに横になって、もう一人の奴隷を含む数人に、扇子で扇がせたり、お酌をさせたりして、大奥遊びをしておられます。

さっきと同じようにカウンターに手をついてお尻を突き出した僕を、ゆみこさんが叩き始めます。お尻と新お尻に1:2くらいの割合でケインが飛んできます。新お尻を打たれて体を捩ると、ゆみこさんから

「真っ直ぐね」

という、軽い注意があります。言葉は軽くても、意味は軽くないことは今までの経験で学習しています。

ひとしきりケインで僕を叩いたゆみこさんが、もう一度JENGAをやろうと、僕ともう一人の奴隷を誘います。ゆみこさんはとても負けず嫌いな人らしいです。

結果は、見事に僕の負けでした。

今度は僕はカウンターに手をつく姿勢ではなく、踊り場の天井から下がったカラビナを両手で持った姿勢で立たされます。

ゆみこさんが再びマジックを持って僕の後ろに立ちます。明らかにさっきより10cm以上下のところに、二本目の線が描かれました。JENGAに負けた罰は、ただのケインではなく、新お尻の拡大だったのです。

そして、「新新お尻を覚えさせる調教」が始まりました。

ゆみこさんは、明らかに「新お尻」と「新新お尻」の微妙なところを叩いては、

「今のどこ?」

と聞きます。

「太腿です!」

「お尻だよ〜」

「気のせい、気のせい」(鬼様)

バシっ

「今のどこ?」

「お尻です…」

「太腿でしょう〜♪」(ゆみこさん)

「あれ〜、そこお尻なんだ〜♪」(鬼様)

結局、どちらの返事をしても、不利な方向へ誘導されていると気付いたのは、全てが終わって帰る車の中でした。

僕を立たせて打つのに飽きたのか、ゆみこさんから、

「うつ伏せにしよう」

と命じられて、今度はうつ伏せ状態で調教が続きます。実はこれ、うつ伏せだと、ケインの衝撃が床で受け止められて逃げ場がない事を知っているゆみこさんの意地悪です。

うつ伏せでの「新新お尻覚えさせ調教」がしばらく続き、ことのついでに足の裏とかも叩かれた後、ふと気づくと、星野ららさんがケインを持って側に来ておられました。

ゆみこさんと交代です。

そうして、星野ららさんが僕の「新新お尻」を叩き始めました。しかも、一回叩くたびに「今どこを打った?」と尋ねるのです。

もちろん、星野ららさんは、微妙な部分を狙って打ってきます。そして微妙な部分を打たれて、

「太腿です〜」とこたえると、

「お尻だよ〜」

と言われて、今度はもっと酷く太腿を叩かれます。

太腿のかなり下側を叩かれて、それでもお尻と言わないとヤバイと思って、

「お尻です〜」とこたえると、

「ここは太腿だよ〜」と言われ、続けて

「まだ全然区別が出来ていないじゃん。さっきゆみこさんに教えられたでしょ」

と叱られます。

「チャンと区別が出来るように体に覚えさせなきゃね」

と追い打ちをかけられて、「新新お尻」のボーダーラインを何度も何度も叩かれます。

「そこってやっぱりお尻だったんだ、私太腿だと思ってた〜。」と、鬼様。

「でも、自分でそう主張されたら、合わせるしかないわ」

「本人がそう言うんだから、しょうがないよね〜」(ゆみこさん)

何故か、「新新お尻」は僕が主張したという流れにすり替わっています。

結局、旧お尻と、新新お尻の区別がつかない位全体が赤紫になった後、漸く「新新お尻覚えさせ調教」が終わりました。

では、本日のまとめです。

1。からすも白 これは、マゾとご主人様の関係を表す時によく使われる比喩ですが、今回改めて痛感させられました。 新新お尻という、医学的常識を無視した新解釈は、明らかにゆみこさんと鬼様の共謀から生み出されたものですが、一時間足らずの調教の最後には、僕が主張した、ということになっておりました。マゾとご主人様(達)の間には、控訴審や上告審という仕組みはないので、これが確定判決です。

2。無言のコミニュケーション 今回改めて恐ろしいと感じたのは、ミストレス達の、無言のコミニュケーション能力です。鬼様とゆみこさんと星野ららさんが、全く何の打ち合わせもしていないのに、まるで入念なリハーサルを繰り返した演劇のように、「マゾを(今回の犠牲者は僕)破滅させるための役割分担」を受け持ち、見事なタイミングで登場し、それぞれの役割を演じる能力は、普通のビジネスに関わるおっさんたちの数百倍を上回ると思われます。言い方を変えれば、優れたミストレスという人種に共通する能力が、狩をする狼のように、獲物を狩りたて、弱らせ、止めを刺すという役割分担を、DNAのレベルで身につけている、ということなのかもしれません。

3。ゼロ乗 ミストレス達が個々の能力を乗算で掛け合わせてゆくのに対し、マゾは何人いても、その力の合計が「1」を超えることはないということです。つまり、マゾの力は常に「Xのゼロ乗=1」という数学の原則に忠実なのです。例えば今回の出来事を見ていたマゾののべ人数は10人を軽く超えております。しかし、その全てが「他人事」として傍観するか、「自分に火の粉が飛んで来ないように」身をかわすかしており、哀れな犠牲者を救出する行動に出た マゾは皆無でした。鬼様のもう一人の奴隷に至っては、僕が3人掛かりで苛められている最中に、「では失礼しますます」と言って帰ってしまうという薄情ぶりでした。こいつと僕は、僕が罠にハマる直前に、「やっぱりケインは、お尻を叩く道具ですよねー」なんて言っていたのですから、いかにマゾの友達が頼りにならないかの典型みたいなヤツです。

今回改めて感じたのですが、ミストレスが複数いる時は、その人達がどんな格好をしているかとか、視界の中に入っているかと言った表面的な現象で油断してはならない、ということです。このマゾを食物とする猛獣達は、どんな状況下でも獲物の血の匂いを嗅げば一致協力して獲物のマゾを狩りたて、弱らせ、止めを刺す本能を持っているのです。

まぁ、冷静になれば、そんな危ない事が怖ければ、ユリイカとかに行かなければ良いのですが、マゾというのは「やたらと好奇心の強い草食獣」みたいなもんで、危険な肉食獣の魅力に魅せられて、自ら自殺行為を選ぶ生き物だと思います。

というところで本日のレポートは終了です。


20140222131013d28.jpg
この写真の上の線が「新お尻」、下の線が「新新お尻」の線です。一般人の常識では、誰がどう見ても「太腿」なのですが、、(>_<)。


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爆笑。

なんだかんだで貴方も愉しんでたって事だよね、困ったもんだね。
恨むなら、己の性を恨みなさ〜い!

Re: 爆笑。

確かに、根本的には「自分の性」が原因ですが、常識も科学的根拠も通用しない猛獣の方達無しでは成立しないコントみたいなもんですね。またひどい目に遭わされに行きま〜す。(笑)

重傷です。

なんて羨ましい‥逆らえない奴隷にチクチク、ネチネチとやさしく惨くされるのが私の理想です。

しかしながら恐ろしいのは間違いないですよね。一度体験したら「二度と其処えは行かない!」と思っても悲しき性がまた其処え足を運ばせるのでしょうね。重傷です。

Re: 重傷です。

こういうのを「うらやまし」と感じる貴方が一番重症^_^

散々叩かれた「新新お尻」がまだチョット痛いのが幸せな自分もヤバイとは思いますが、、。
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